Eno.217 今田

■ 後日談

(これは「シマナガサレ体験版」Eno.249の後日談です)


今日は出発の日。今田は準備を整えて港へ向かった。
しかし、彼の乗る船はなかった。
「?」
もう一度確認したが、確かに彼の任務の船はなかった。


仕方なく公衆電話ボックスに電話をかけて同僚に尋ねてみた。
「すみません先輩!その任務の担当が他の人に回ったみたいです!伝えるのを忘れていまして本当に申し訳ありませんでした!!」
「そういえば休暇前に海外リゾートのチケットをもらったので、お詫びとして、先輩に持っていってもらいましょう!デスクの上のファイルにあります。」

同僚の声は急いでいるようで、一方的に言い終わったら電話を切られてしまった。
今田はあまり聞いてなかった。予定が狂ったことにイライラしていたからだ。まあいい。これからもチャンスはあるし。そう自分に言い聞かせて冷静を取り戻した。
彼は署に行って例のチケットを見つけた。明らかに安っぽい。



彼は家に帰った。

「同僚からもらった。持っていけ。」
「え?バカンス?しかし私のスケジュールは…」
「荷物はもう用意したから。」
「……わかりました。」

最近邪魔をしてくる妹をこの機に殺すのもいいかもしれない。彼は手を加えたチケットを妹に渡した。



あとで知ったことだが、今田がターゲットにしていた同僚は、大金持ちになった実の両親と再会し、これから退職して海外へ結婚、移住するように決めた。同僚は兄のように慕っていた今田にお世話になったことを泣きながら感謝し続けた。
「いい先輩」を演じて応えた今田は、彼を何かの事故に巻き込もうかと企んだが、同僚は思ったより早く去ったから結局何もできなかった。
今田は彼の番号をブロックした。
その後、今田の人生が終わるまで連絡を取ることはなかった。

彼の妹については、この後の話になる。
結果的に彼女は今田が期待したような行方不明にはならず、無事救出された。