Eno.568 御坂 夢莉

■ 『ごめん、やっぱ無理』

『やっぱり、男子と付き合うの無理だったっぽい』

『先輩と付き合うの……難しかったです』

あぁ、そう。
そっか、いいよ。

何度も言って、でも「やっぱ駄目?」なんて一応聞いたりして。
まぁ、無理だろうなって自分でも分かるから、結局はそれきり。

何回同じ展開してんだろうな、ウケるよ。
でも仕方ねぇか。オレだって、好きな恰好して、好きに生きようとして、その結果だし。

…他人の事を考えないワケじゃねーんだ。
でも、自分を押し殺してるのは、本当の意味で死ぬような気がして。
喉が詰まって息ができなくなる気がするから、髪伸ばして、化粧して、かわいい服着て。
かわいいモン集めたりして、自分に正直……って雰囲気を出そうとして。







でも自分を認めようとしても、他人に認められるとは限らねーじゃん。
親父も母さんもそう。
もう何も……普段は口には出さないようにしてるけど、マトモになってほしいって思われてるのも知ってる。
おかしいって思われてるの、知ってる。
オレだってそうだよ。
おかしいと思わないワケねーじゃん。
自分が一番思うんだよ、こんな格好して、女の真似したりして。
それが周りのいう『普通』とズレてるっての、嫌って程分かってる。

分かってるけど諦めたくないから、続けてる。
諦めたら本当に自分が自分じゃなくなる気がしちまうから。

やめたくない。好きな自分でいたい。
好きな自分になりたい。
自分を好きになりたい。

だからこのスタイルを意固地に続けちまうんだ。