Eno.457 獅子吼我王

■ クシャクシャに丸められた紙片



浜辺で使えそうなボールペンを拾っていたから日記をつけてみよう、と思う。
紙の無駄になってしまうと思ってつけていなかったけど[グシャグシャと乱暴に消された文字]

嘘だ、これはただの愚痴吐きになるだろう。
書いていなかった理由も嘘だ、慣れない力仕事で血豆ができては潰れ、手を使いたくなかっただけだ。

『ガオくんは可愛い』だとか何度言われたか分からない。
そう言われて、嬉しいとでも思っているのか?

『ガオくんはドジだ』とも何度も言われた。
好きで鈍間をやってるわけじゃない、黙っていてほしい。

『ガオくんは弱虫だ』、これはこの学校になってから言われていないかもしれない。
でも分かっている、そう思われているだろうって事ぐらい。



そう言われたって仕方がない。
実際に自分は非力で、鈍間で、弱虫だ。

これを書こうと思ったのは、暫く力仕事をやっていなくて手が治ってきたからだし、

焼くだけの料理すらうまくつくれないし、

級友の問題にだって、あと一歩踏み[水で滲んだ文字]ったし。



この島での生活を経て

それでもまだ

変われないっていうのなら





「死んでしまえよ、糞野郎。」