Eno.639 窓部 日向

■ 濡れたノート


嵐の中、小比類巻を迎えに行く時。
いくつかの物を持たされた。

ウィンブルームから渡された物資と、赤座から渡された道具。
前者は小比類巻と分け合う気にはならなくて、全部渡した。
向こうも分け合おうとは言わなかったから、それでいいと思った。


岩場で小比類巻に「一人になりたかった」と言われた時、
それが金剛院の時と殆ど全く同じように思えて、嫌な気持ちになった。
金剛院の時と同じように、抵抗されて刺し合いになる可能性を少しだけ考えていた。
あいつが俺をおびき出すために外で待ち伏せしてることも、出かける前に疑った。
だから、あいつを連れ帰るために『首を落として持って帰るか』なんて冗談が出た。



小比類巻は、自分が思うよりずっと無責任だ。
ただ、今回はその無責任さに救われた。



















「……赤座も大概狂ってるな。
 お前なら、"ソレ"で俺が苦しむことぐらい解るはずだろ?」