Eno.452 【滅国の毒】サマエル

■ 風雨の厄災と楽園の方舟

ついに嵐が来た。
拠点に篭っていれば比較的被害は軽微に抑えられるが、貯めていた物資を食い繋いでなんとか凌いでいる形になる。

セトさまの体調がよくない。かみさまだから…なのかも。

試しに一度外に出てみれば危うく吹き飛ばされそうになり、慌てて帰ってきた。さすがにこの天気の中再び外に出る勇気まではないから、しばらくは拠点で仕事をしておくことにしよう。

少しだけ、みんなの恋の話を聞いた。

セトさまは好きな人と離れ離れにされて、サートお兄さんは好きな人のところに帰るために頑張ってて…無理やり結婚させられるのは、あんまり好きくないから。ジセレカお姉さんの世界は僕には良くないところなのかもしれない。

恋、僕もしてみたい。憧れがないといえば嘘になる。
だってあんなに恋の話をしてるみんなはキラキラしてて、楽しそうで。…生きる意味がある、ってことは、きっと素晴らしいことだから。

この嵐を乗り切って、この島も出ることが叶えば。
みんなのお願いが、恋が、叶えばいいなって思う。


……アヤノちゃん、どうしたんだろう?