Eno.309 ルディ

■ 9日目

9日目です。
とうとう嵐が来ました。
外は音を立てて雨風が吹いています。
壁のお陰で持ちこたえてはいますが、何らかの拍子でここが吹き飛ばされる可能性はあるでしょう。
倉庫を丈夫にしておいたので、そこから素材を取り出すことで対応可能と考えられます。
準備は万端で、問題ありません。

嵐の前に砂浜で最後の探索をしていたら、落ちていた刃物で足を切りました。
足裏から貫かれた形になります。後に引くタイプの明確な負傷は初めてです。
『痛み』の鬱陶しさを理解しました。
動くたびに神経を焼かれるような感覚がありますし、
傷痕からは血液が流れる為大変不衛生です。
嵐が過ぎ去るまでに傷口がふさがればいいのですが。

シュパーズと会話を重ねています。
彼の世界では我々すら辿り着けなかった【予知】が可能としている人間がいるそうです。
テクノロジーによって生体管理をなされているようで、装置としての役割になっているのでしょう。

シュパーズが嵐の最中に負傷したようで、私より酷い怪我を負っていました。
外への興味が尽きぬことは理解するため、天使たる私が探索を行うべきだと考えています。
シュパーズ本人に提案しましたが、それに反対されてしまいました。

ラザルに触れる事で、人間の理解を進めています。
私も、彼も、恐らくシュパーズも差異はあれども種としては変わらないのでしょう。
人間の負傷を反対するのであれば、自分の事にも気をつけるべきだと思います。