■ こうかいにっし:あらし
しまに、あらしがやってきた。
みんなでつくったきょてんは、ときどきゆれたりするけどちゃんとまもってくれている。そとでどれだけあめやかぜがふいても、みんながいるここならあんしんだった。
でも、きっとあんしんだからこそ、あのときのことをおもいだしてしまう。
ひどいあらしのなかで、オレはこわくなってオヤブンのコートにもぐりこんでいた。あそこは、きっとこことおなじくらいあんぜんだった。オヤブンがまもってくれていたから。
でも、オレをまもってくれたオヤブンのことは、だれがまもってくれるんだろう。
そのことにきづいてかおをあげると、オヤブンがにっしをかいていたてをとめてわらった。
こんどはおまえがおれたちをたすけてくれるばんじゃねえか。
ちょうどそのとき、かんぱんからコブンのこえがきこえた。おおきくゆれたふねからとびだして、うみにおちていく。
オレはいてもたってもいられずにかんぱんにとびだしていって──きづいたら、ここにいた。
あめや、ふきとばされたものがかべにぶつかるおとは、まるでオレをよんでいるみたいだった。
たとえオヤブンがいないとしても、いかなきゃだめだとおもった。
メグルサンがつくったおまもりをかりて、あらしのなかであれるうみをみた。あのときふねでみたよりも、ずっとひろくて、おそろしい。とんできたものにぶつかっただけでたおれてしまったオレなんて、きっとかんたんにのみこまれてしまう、そんなうみだった。
オレは、まもられてばっかりだった。だから、あのあらしがこんなにこわいものだったこともしらずに、ただオヤブンをたすけたいといっていたんだ。
……
かえってきたときにもっていたいしを、メグルサンがおまもりにしてくれた。サートサンは、けがしたオレのためにきずぐすりをくれた。
ずっとだれかにまもられつづけているオレが、するべきこと。オレにできること。
おまもりをにぎりながら、ずっとかんがえつづけている。