■ 小休止
これは過ぎたんじゃなくて、所謂小休止ってやつだろう。
……昔、許嫁から聞いたことがある。
海の嵐はおさまったと思って油断したところで全てを喰らい尽くすのだと。
海に馴染みがなかった俺は「ふーん、そうなんだ」なんてのんきな返事をしたものだが、大袈裟に言ってるだけだろうと思っていたんだよな。
ただ、さすがにそれが大袈裟じゃねぇことはさっきまでの荒みようを見てよく理解した。
あいつが言ってた海の嵐の話は何も大袈裟じゃなかったことを今更ながらに理解した。
だから、吹き返しがくる前に森を探索してきた。
まァ……良くも悪くも普通だったな。
妙な花も見かけなかった。
あの時大鴉が2個拾ってきてくれて助かったなァ……一つは劇薬にされちまったが、もう一つはこちらでこっそり調合させて貰おう。
まァ……邪神の末裔で器が調合する薬も大概ろくでもねぇ代物かもしれないがな。
何、大丈夫……変異の力の方は使わねぇよ──多分な?
にしても、そろそろこの島に来て5日くらいか?
あのメッセージボトルとナンナの言ってることが正しければ7日目に船がくるらしいが……この嵐の中本当に来るんだろうか?
……まァ、最悪、俺達だけなら時空魔法で帰れば良いことなんだが、スエンは絶対嫌がるだろうな。