■ 続き
海に落ちてから記憶があまりない。
覚えているのは落ちて目の前が真っ暗になったこと、呼吸すると耳元でざわつく泡の音が聞こえてきたこと、匂いがわからないこと、海水の独特の味が開いた口に運ばれてきたこと、それから、冷たい水の感触と必死でもがいていたこと。
どうやって助かったのかは、実は覚えていない。
運が悪かったら、今度こそ沈んでいたのかもしれない。
…それも悪くはない、かもな。
それからなんとか拠点に戻れたことは覚えている。それで、
…あぁそうだ。
スミダにラーメンを分けて貰った。ラーメンができて嬉しそうだったなとぼんやり思っていたところに、一緒に食べないかと誘われた。
なんでだと聞いたら、食べたそうにしていたからだと。
少し恥ずかしい気もしたが、食べたかったのは事実。一緒に食べることにした。
美味しかった。
とても、美味しかった。
いつぶりだろうか。
こんなにもあたたかいと感じられたのは。
良いのだろうか。俺がそう感じるのは。