Eno.253 半人半鯱のサート

■ 多重世界の、流れ者

半人外たちは、一説によると『いつの間にか別世界に繋がっている』事があるという。
半人外たちが全く知らない文化、文明。
果ては世界のシステムさえも異なるいわゆる異世界の境界を、
知らず知らずの間に超えてしまう事があるらしい。

実際に俺の仲間や、別の宿の冒険者の中でそんな証言は幾つも存在する。

『空に浮かぶ島で、魔法の力を持つ花を見つけた』、
『もちもちの生命体がよく来る世界の果てを見た』、
『魔王がいる国で温泉入って酒飲んで楽しかった』、
どれも言葉にしてみれば意味不明だが……
せめて魔王がいるならその城くらい拝んできたらどうだ。

俺も昔『願いが叶う虹色の塔』の探索に付き合った事があったけれど、
明確に別の世界だなと思ったのはそれきりだった。

……
『魔法や能力を封じられ、いずれ沈む絶海の孤島』。
『一度に何十人もの別世界出身者が流れ着く島』。
そして、森に稀に咲いている『力を持つ花』。
この島はどう見ても空に浮かんではいないが、自然発火したり物体を凍らせる花は、
海の敷布団亭の冒険者が証言済みだ。
そして多くの異世界から、理由はともかく同じ現象に見舞われた者が多数いる。

これが俺の二度目の可能性は高い。


となると、もっと明確にこの絶海の孤島について報告書を書いたほうがいいかな。半人外の冒険者ギルドから報酬が出るかもしれない!そうしたら5人も笑って許して
くれるかな〜微妙だ。
ルーガ!パイルドライバーだけは勘弁してくれ。