Eno.327 ちらし

■ 漂流記録

この島に漂流して、おおよそ5日が経った。
現状の把握と、これまでのことを記録しておく。

まず、島に流れ着いた者は十数名ほど。
皆一様に何処かから流れ着いたよう。
誠に不思議なこともある。
更に不思議なのは、種族も、出身も多種多様であること。
そもそも住んでおる世界自体が違うように思う。
この島の気候や、やたら多い漂着物や謎の木の実…
何やらただの孤島ではないことは明白である。

さて、そんな者達と共に協力して今まで生きて来たわけだが、
今はおおきな嵐に巻き込まれておる。
皆のおかげでそれなりに備えができており、
雨風が凌げる拠点で事が過ぎるのを待っておるが
どうにもやることがないため、筆をとった次第。

というか、本来手紙を書くことを目的に筆をとったのだが、
如何せん何から書けばよいのかわからず、
一先ずこうして日記のようなものを認める事になっておる。

……先日聞いた、この島の者達はすでに
死者であるという噂は、果たして嘘か真か…。
足のないメイドもおるし、夢幻のような島であるのは確か。
真実だとすれば、ご主人には二度と会うことが叶わぬだろう。
この島の者達の未来もないということになる。
それはあまりにも悲しいため、そうでないことを願うが……。

もしそうであるなら、やはり手紙には
ご主人への想いを認めるのがいいかもしれん。
届くことすら叶わなくても、書くことに意味があるはずだから。