■ さんじゅうなな
室内の話を聞く。水を貯める。話を聞く。
嵐の音を聞く。
繰り返す、繰り返す、繰り返す。
外の音に集中するんだ。内側の音に耳を澄ませると。
鼓動が跳ねていて、体がふわ、と浮いた感覚があると、体の内で血液が、勢いよく流れていくような気がした。
楽しい方に目を向けている。
脱出の話。救命ボートの話。
俺はどこに帰るのだろう。
船に回収されたとして、俺はどこに戻されるのだろうか。
そこを思い出そうとすると、何も見えなくなるのに。眠りの沼に体が沈んで、ひと時の安堵に身を任せてしまうのだ。
どこかに飛ばされてしまっても、壊れた枷がまだ足に残っているみたいだ。
どこかに戻されて、自由になっても、何をしようか。
何をしようか…………
レイのレイは奴隷のレイ。
いつまでも隷属している。
………そんなことばっか考えてんのも、たぶんな、きっと、あれだろ。嵐で外出れないせいだなあ。
部屋も暗いし、やっぱ日の光だよ、日の光。
早く晴れてくれよな〜。嵐の中手に入るもん探しに行ってみてえけど。みたい。宝探しみたいだし。いいなあ。ロマンだなロマン…