Eno.140 レイ

■ さんじゅうなな
















室内の話を聞く。水を貯める。話を聞く。
嵐の音を聞く。

繰り返す、繰り返す、繰り返す。

外の音に集中するんだ。内側の音に耳を澄ませると。



鼓動が跳ねていて、体がふわ、と浮いた感覚があると、体の内で血液が、勢いよく流れていくような気がした。


楽しい方に目を向けている。

脱出の話。救命ボートの話。



俺はどこに帰るのだろう。
船に回収されたとして、俺はどこに戻されるのだろうか。

そこを思い出そうとすると、何も見えなくなるのに。眠りの沼に体が沈んで、ひと時の安堵に身を任せてしまうのだ。

どこかに飛ばされてしまっても、壊れた枷がまだ足に残っているみたいだ。

どこかに戻されて、自由になっても、何をしようか。

何をしようか…………








レイのレイは奴隷のレイ。

いつまでも隷属している。




………そんなことばっか考えてんのも、たぶんな、きっと、あれだろ。嵐で外出れないせいだなあ。
部屋も暗いし、やっぱ日の光だよ、日の光。

早く晴れてくれよな〜。嵐の中手に入るもん探しに行ってみてえけど。みたい。宝探しみたいだし。いいなあ。ロマンだなロマン…