■ 10日目
10日目です。
激しかった雨風が僅かに弱まったタイミングがありましたので、
当座の木材や木の実などを収集しました。
拠点の補修に使うための大ぶりな枝を沢山集めることができました。
道中、また動物に引っかかれましたが、軽微な損傷として扱いましょう。
私はこれまで人間に対し、挨拶の為に握手などは行ってきていましたが、
調査の為に身体に触れる経験はなかったため、ラザルを対象に行いました。
人間は他者に触れられる事を良しとしないそうなので、
私はきちんと許可を取ったうえでの行為であることを明記しておきます。
結果としては、人間に対する理解が一段階深まったように考えられます。
人間の身体は酷くか弱い手触りでした。
ラザルより各種急所を本人の口から確認しましたが、
私からすればどこもかしこも脆弱だという印象を受けました。
首を締めたら死にますし、身体に指を差し込むだけで死にますし、
腹が破れても死にますし、頭に衝撃を与えても死ぬでしょう。
神が愛し守護しようと思われる理由の、ほんの少量だけかもしれませんが、理解できました。
シュパーズもそうなのです。
彼も森林に探索に出たようで、私と同じく傷つき帰ってきていました。
人間は簡単に命が消え失せる、その事実を確認できたことは、私にとって喜ばしい事でしょう。
代わりにラザルに対し、精神的負担をかけてしまったような気がします。
やはり天使はあまり人間に近づきすぎるのは良くない可能性が高いです。
そう、天使と人間はあまり相容れないと考えられます。
私はどうして、学ぶことを辞める事が出来ないのでしょうか。