Eno.14 小鳥遊 軍曹

■ 15.それでも人は戦って乗り越える

 第二波は思った以上につよく、拠点の半分が飛ばされていたけど、一度も見たことがない妖精君もふくめて全員無事だった。

この未曾有の大嵐は意外な物を浜辺にもたらした。大航海時代と呼ばれる木造大型船での海運が盛んにおこなわれていた頃のモノによく似た船が使えそうな状態で流れ着いていた。

これを修理できれば、島から脱出することはできる・・・

だけど、俺には帰らないといけない[時空]と待たせている人がいる。

二つの思いが交差する中、船の調査を淡々と進める自分と楽しそうに船を捜索する、同じ時をすごす仲間たち。帰る場所がない人もいれば帰りたくない人もいる、

そもそも、この船で脱出したところでそれぞれのいた[時空]に帰れるだろうか。

船内の捜索を終え、旧式の大砲4基などの備品や積んでいた荷物を持って帰投し、島のみんなでちょっとした宴を開いた。襲来前日をふくみ3日も、動きたくても動けない時間を過ごさせたこともあってみんな楽しそうに、[未曾有の大嵐]をやり過ごしたことを祝ってはしゃいだ。
その姿をみてセト指令もすっかり回復したみたいだ。
一足先に捜索していた鳥娘・・じゃなくてイヴァーナくんが酒蔵から[ラム酒]を見つけ回収していて大人に振舞おうなんて考えていてくれたのは嬉しかったね。

その酒を嶋くんと交わした。俺が暮らしている[時空]で飲めるものより強い、粗削りな味わいをかみしめて改めて思う。

ここは[島]であって、
 [島]ではない、
  [檻]と呼ぶ空間であることを。

やることは、一つフォグくんの船を完成させ島からの脱出。ここから出ればきっと[島の圧力]によって奪われているモノを取り戻せる。

リュックにいれてある端末の電力がわずかに回復したことにはまだ気が付いていない。