■ 【5日目、灰燼】
かつて暮らしは戦いと共にあり、その最期は栄誉に飾られて然るべきものだった。
かつて男は戦いのうちに死を望み、果敢なる生を燃やし尽くすことに価値を見出した。
島一つ巻き込むほどの嵐を前にして、
男は二度目の恐怖に呑まれた。
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ひととき、穏やかさを取り戻した夜。
何気なく頭を掻いて違和感を覚え、
足元の水溜まりに初めて自分の顔を映す。
「ああ、やっぱり、駄目だ、俺は……もう……ッ!」
髪の緋色は白く抜け落ち、灰のようだった。
臆病風に吹き消された者の頭を打ち砕かんと、男は斧を振り上げる。