■ 急転直下、航路を開け
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一方その頃、山のカンムリ亭。
『たずねびと冒険者』の張り紙が、ボードに貼り付けられている。
「あたしのカン、まちがってたのかな……」
小柄な少女、パドッタがしょぼくれている。
「そんな、パドッタ!まだそうと決まったわけじゃない!ほら元気出してっ、まずはご飯食べよ」
「うん……」
しょぼくれた少女を、持ち前の明るさで励ます青年のサテュロス。そんな日も、すでに1週間以上続いているのだが。
「何食べる?」
「カツカレー」
「いや朝からガッツリ」
……しょぼくれている?
晴れや雨が続き、嵐が来て、また晴れ間がさしても。
サートはまだ帰ってこない。
とりわけ陽気な二人がこんな調子だった山のカンムリ亭の空気を吹き飛ばしたのは、扉を蹴飛ばすように宿へ帰ってきたリーダー、アニスだった。
「みんな聞いて!
サートの居場所、もう一度探せるかも…!」
ドタバタうるさいぞ落ち着けと宥める宿の親父を尻目に、
アニスがテーブルに叩きつけたのは。
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『大型船の失踪多発 ツルボでも……
魔の海域?古代伝説の海魔か?』
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「見て、今朝の新聞。ここ1週間近くで、各地で船の失踪が増えてる……その失踪地点に、ツルボからの『あのルート』が含まれているの。それも晴れた日の海で。嵐が近くて、風は吹いてたみたいだけど」
「……とゆーと?」
「あの海域が『どこか』に繋がってる可能性は、
高いよ。」