Eno.68 觥 美鳥

■ 社務記録08

――故郷の村を、思い起こす。
今迄は、目の前の事に精一杯で、頭に浮かんで来なかったのかも知れない。

"さよならだけが人生だ"。
コタローちゃんは、そう言って笑っていたけれど。
どんな思いで、その言葉を言ったのか、わたしにはわからない。
ただ、幾人もの人を、その笑顔で見送ってきたのだろうと、そう思ったのを憶えてる。

わたしは、さよならのとき…あんな風に、笑顔で居られるのかな。