Eno.32 ロジータ

■ 希望

希望は踏み躙ってなんぼだ……ってな感じで、かつての俺は散々色々やってきたわけだが、
散々希望を見せた後で、それが踏み躙られた時、本当にヒトってやつは面白いほどボロボロになる。
自ら手を下さずとも、勝手に自滅してくれたり、死を乞うたり──まァ、そういうのを散々見てきたってわけだ。

まァ、あんなイカダで海を渡れるかよって心のどこかで皆思っていたようだな。
イカダ諸共希望が砕け散って帰ってきたところで、大して心のダメージを負ってるわけではなさそうだ。
投げやりになるようなやつがいねぇなら、まァ良い。

しかし、あんな見た目だし、アレで治療されたらキノコまみれになっちまうようだが、性能はなかなかのようだな。
あんだけぼろぼろの煮干しみてぇな状態で帰ってきたってのに、
普通に身動き出来るまで回復してやがる。
ふむ……なるべく命を削らねぇように立ち回ってたが、アレを一つ用意してりゃ、ちっとやそっとの無理も許されるかもな。