Eno.218 シュパーズ

■ つまりは目途

 嵐が過ぎ、懸念だった拠点への影響も軽微だったと言って差し支えなかった。
そして一つの朗報として何か別の船っぽいのが近くまでナガサレてきたらしい。
まあデカい船だがこれを修理して、と言うにはオンボロで中に居ただろうヤツらっつーのは……
まあ考えない方が健全的だな。寧ろ居なくて助かったとは2人の前じゃあ言えねえけど。

 さて船の中身と言えばなんとまあ本に書いた通りの海賊船とやらで酒に金銀財宝、今まで島じゃあお目に掛かれなかった食材に――やたら古そうな大砲や、浮き輪。浮き輪なんだよ。
そう、念願の救命ボートまでの材料がすべて揃っちまったって話だ!
かねてより皆で素材になる木や金属は集めてたから、少しすれば完成しちまった。
これで、恐らく。
あと少し旅路に必要な飯か何かを揃えれば俺様たちは島の道連れにならなくて済むってことになる。
まあ大喜びだね! ここからはバカンスし放題っつー訳だし!


 だから俺様、ちょーっと目が眩んじまった。
船の中にあったんだよ、デカい船を造るための"設計図"に羅針盤。
……正直、燃えたね。
地下の技術者として船なんざ造る機会は皆無に等しい。
そんな中でこんなモンを見せられちゃあ、なあ?

まあ、とはいえ。尤もな話として。
造船にあたり1人じゃ無理。ついでに造った"後"も多少準備が要るだろうから
無理してギリギリを攻めすぎるのも不味い。
だからそうならない程度にゃあなるが……
果たしてどうなるやら。
俺様たちはある意味、ここからだぜ。