■ 貴方を探しに、死中に活を
海で行方不明になったサートの生存を信じる5人の半人外たちに飛び込んできたのは、大型船失踪のニュース、そしてそのカラクリだった。
「仮説だけどあの時、私たちが乗ってたマンカイ商店の船は嵐に揉まれて偶然ポイントを逸れたけど、投げ出されたサートは……」
「ピンポイントで失踪地点にホールインワンしちゃったってこと?」
「かもしれない。」
「でもそんなぐーぜんあるかなあ……」
頭を突き合わせて新聞を囲む半人外たちに、もう一人。
車椅子をからからと漕いでくるのは、フートその人。
「……あるかもしれません。あれから船や海に関する伝承や怪奇現象や未解決事件を、ツルボに伝わるものから海の国固有のものまで片っ端から調べました」
「え、フートって毎日サートの目撃情報も聞いて回ってたよね!?」
「盗賊ギルドにも行ってたって…」
「眠れないなら時間をあの人のために使うしかないじゃないですか!
……私だってこのパーティの第二の参謀です。実際収穫があり、今アニスの新聞で点と点がつながりました」
フートの顔を4人の冒険者がじっと見る。
一人はカツカレーを食べている。
「……似たようなことが数ヶ月前にも起きていることが分かりました。その時はほんの小舟でもあり、単なる無謀な若者だったと探索依頼はすでに打ち切られていますが……単なる天候や船の問題ではない『何か』でした。」
フートはここ数日あまり寝付けていないはずだ。
それを吹き飛ばすほどの熱意が、
その口調からは感じられる。
「魚の採れ具合等を予測するために計測している、海の魔力のデータなどを見せてもらいましたが、その日は僅かに独特な揺らぎが一点に存在した……ちょうどこの失踪騒ぎと同じ揺らぎが」
それは魔術師としての意地、
聖海を信じる者の信心、
愛する人にまた会わなければという意志。
「再びツルボの船は消えたというのなら、その魔力、船のかけら、とにかく残滓を追います」
「さあそうと決まったらもう一度船借りてあの海に行くよ!私たちが消えた先に行けなくとも、サートが帰ってこれるとしたらそこかも!」
「ルーガを今すぐ起こして支度させてください!」
「あいあいさー!むぐむぐ」
「カツカレー食べ終わってからね……もーっ忙しなさすぎ!でもサートを見つける糸口を見つけたのは僕も…最高に嬉しいっ!」
「でもこれって海のど真ん中にある失踪ポイントを探すんでしょ?針に糸を通すようなもののような気が……」
「わずかな可能性でもやらなくてどうするんです?海の魔力や位置を探るための魔道具、賢者の塔から今朝ありったけ借りてきてます」
「行動早っ!」
「ふふ、スイッチ入った時のフートの行動力は凄まじいよ。私よりすごいかも」
「待っててくださいねサート。今迎えに行きます!」
「お待たせして、ごめんなさい」