■ 【しっかり乾燥した地図】
*ニケラの持ち物で赤いバツ印が描かれた小さな孤島の地図だ。だが、どう見てもこの島の地図ではない。
ふと。島から出れると考えたときに、なんでここに来たんだったかを思い出した。
俺は補給品の受け渡しに来たんだ。
食料、水、それに武器の類、火薬、護符、あぁもういろいろだ。
役人の監視が厳しくなって、いつもの茶屋倉庫に隠せなくなったから、
離島の洞窟に隠した。
んで、俺はそれを運び出す指揮を執るために渡し船に乗って・・・
ふん、やはりどう考えたってこの妙な島に流れ着くのはおかしいよな。
やっぱり物の怪の仕業か・・・もし帰れたとして、あの島を今後も使って
行くとするならいっちょ大将にあやかしをぶん殴ってもらわねぇとダメだな。
まぁ、大将なら目に見えない怪を殴るくらい余裕だろう。
・・・帰れたら、かぁ。
時に、土産のつもりだったこの島の情報も、今や大して役に立たないと見える。
数日おきに海に沈んでやたら腹が減って疲れる島なんて・・・
どう考えたってボロボロのあいつらを逃がす場所には向かねぇ。
民の為に戦った勇敢なヤツらだ。相応にいい場所で療養して欲しい。
もし、帰れたらとして俺たちの義軍はまだあるだろうか。
俺が運び出す予定だった物資は義軍の最後の希望だった、干からびててもおかしくねぇ。
あぁ大将。アンタがいなくなってから世界は大きく変わったよ。
ある日突然何の前触れもなく姿を消しちまったアンタは、今どこにいるんだい。
軍の奴らは"怖くなって逃げ出した"なんて言うが・・・きっと弔いの旅に出たか、
また他の誰かを助けに行ってんでしょう?大将。
・・・待て、何の前触れもなく?
まるで今の俺みてぇじゃねぇか。