■ 《44: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 海賊》
キャプテン・フリード、という海賊がいた。
ウミの国が侵略戦争に打って出て、世界中に恐怖をもたらしていた時代の人だ。
元はウミの国海軍の一員だった彼は祖国の暴挙に反発し……かき集めた同志たちと共に船と物資を盗んで脱走。海賊を名乗り始めた。
……無二の親友があらぬ疑いを受け、あげく処刑されたことが、全ての始まりだったという。
当時のウミの国の全てを否定するかのように彼らの船を襲い、戦い続け、いつしか彼の掲げる旗は自由と反抗のシンボルとなり、海軍の力に怯える各国の人々を奮い立たせたという。
……そして最期は捕らえられ、ギロチンにかかった。
しかし……その死に呼応するかのように革命が起き、ウミの国は転覆し、戦争は終わったのだ。
フリードがいなければ今のオルタナリアはなかったのかもしれない。
それでも……争い、傷つけあうことは恐ろしいものだ。
……取り返しのつかないことに、なってしまうから。