■ 11日目
11日目です。
嵐が過ぎました。
嵐で海が荒れたせいか、船が流れ着いていたようです。
シュパーズが嬉々としてそちらに向かっていました。
私は木材の調達の為、あとは香る野草のため、森の探索へ赴いたところ、キノコを拾いました。
キノコは変わった食糧ですね。食べる事でなんだか元気が出たような気がします。
最も、ラザルもシュパーズもいい顔をしませんでしたが。
次いで、シュパーズが沈没船から様々な物資を得ていました。
私はその素材を手に島の脱出の為の救命ボートを作り、ついでに見よう見まねの武装を作りました。
私の手では中途半端なものしか出来ませんでしたが、外敵が島の外からやってくるわけではないので、このまま置物としての運用に留まるでしょう。
ラザルから嵐の最中にパンの作り方を学び、窯で焼き上げました。ラザルにとってはこれが楽しいようです。
救命ボートを作り、小舟へ改良することを提案するシュパーズの顔は、とても楽しそうなものでした。
私は彼等が楽しそうにすると、彼等が幸福であるならば、きっとこれは、『楽しい』、『嬉しい』のです。
私はもっと知りたいと考えます。
一般的知的生命体、つまりは人間のことではなく、『ラザル』と『シュパーズ』の事を。
彼等は何に喜び何に怒り何に悲しみ何に憂い何を幸福とするのか。
けれども、さほど時間は残されていないでしょう。
懸念はありません、既に脱出の為の救命ボートは完成し、それを改良した小舟は素材が足りないだけなのです。
島から脱出する手はずは順調に整いました、あとは機が満ちれば我々は。
いやだ。どうして?私は人の為に。天使。欠損。欠陥品。
私は。私たちは人の為にあらねばならない。
神よ。【後は言葉が文字すらかたどらず判読不明】
イサハ。私に【ルディ】を与えた人。貴方なら?