Eno.122 ヨーデル・アブラホリ

■ アラビア語の日記 十頁目

 
先の微妙な『怖い話』には、
話す事の出来ない続きがある。

日本に留学した後も本国とは連絡を取り合っているから、
あの自宅の事はたまに報告を受けていた。

曰く、電気メーターを見て在宅を確信したならず者が、
無人の戸を開けて罠にかかったそうである。

そういう話を聞くと、溜息が出てくると同時に、
なんだか気の毒だという気持ちになる。

僕が捕まえても一文の得にもならない、
『切っても痛くない指』だという事実は、
いつになったら故郷で周知されるのだろう?