Eno.260 ウィル=シャーデンフロイデ

■ 海に落ちる

足を滑らせ、灯台に照らされた海に落ちたとき、彼女のことを思い出した。

蜜柑色の光が、瑠璃色の海を染めたあの光景を、いつまでも忘れないと誓った。俺の宝物。

彼女の選んだ海と、何処と知れぬこの海も、繋がっているのだろうか。

ここには、共に灯台を建てて、海に落ちたら手を引いてくれる仲間がいる。

灯台が建ったら、だいぶ船に見つけて貰えるんじゃないかという気持ちが確信めいてきた。
2人とは……帰ったら、もう会えないのかな。
なんて考えてしまうには、気が早いかもしれないけれど。