■ 雨雲を抜けて
嵐が過ぎ去り、ようやく天候が落ち着いてきた。
無論、時折雲が空を覆い、雨が降る事もあるが……嵐の後となっては、瀕死じゃあ無い者にとっては、今更脅威になる事もあるまい。
拠点はあたしが築き上げた壁も含めて、特に破損した様子も無かったしねぇ。
そんな嵐の影響か、船が漂着したと言う。
見つかる物品的に、恐らく〝海賊〟とやらの船だろう。
あたしも少し探ってみたが、物品の状態を見る限りでは、つい最近まで海賊共が乗っていたような……つまり、あまり時間が経っていないのかもしれないね。
拠点で休憩していると、エスティが倉庫を見て怯えていたので、中を見てみたところ、〝海賊〟に関連するモノを怖がっていたようだったから、なるべく見えないところに移動しておいた。
あたしはあたしであり、他の連中でも小娘でも無いから、詳しい理由は知らない。
だが、陸の生き物に恐怖を覚える事と深く関係しているような気はする。
それでも、あたしらの事はもう怖く無いと改めて伝えてくれたので、もしこの島を荒らすような物好き共が来たら一人残らず蹴散らしてくれようぞ。
まぁ流石に居ないだろうけどね。リスクがあまりにも高過ぎる。
そんなリスクをも恐れず来るとしたら……きっと、そいつらもまた、お人好しだろうから。