■ 非楽園アイロニック
………僕も、僕だって。
遠い遠いところにいきたい。…きっとこのチャンスを逃せば、一生泥水を啜って生きる生活に戻るのだろう。殴られて蹴られて、腐ったものを食べた胃ごと全部ぶちまけそうになる日々は戻るのだろう。
それは、こわい。し、まちがってる。
そうだ、そもそも、僕らの街だけがあんなに貧しくて、救われなくて、僕らみたいな子供がそんな生活を強いられているのがおかしいんだ。それを、ここで出会ったみんなに教えてもらったんだ。僕らは、もっと幸せになれたはずなんだ。
こんなことは、まちがったことは
正さなきゃ、でしょう。
…逃げよう。
逃げて、逃げて、いつか帰る。
故郷を変えられるくらい強くなるんだ。…なんでか、できる気がしている。不思議な体験をしたからかな、きっと傲慢なことなのだろうけど。
だけど、何もしないよりは、ずっと。