Eno.108 アノーヴァ・ピィヴァル

■ 《47: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 記憶・6》

勇者の一人、ミキ・クラマ。
兎のように跳び、鳥のように舞う、弓使いの少女。

彼女は……ペタラ姫が否徒となり……倒されてしまった後に、オルタナリアにやってきた。
それも、そのペタラ姫に呼ばれて。
呼んだら勇者が来た、とする記録もなくはないが、実際呼び声に応えたと申し出た者はいない……私が学者さんに聞いた限りでは。

しかも、ミキはオルタナリアに来る前に……『地球』で不思議な現象に遭ったらしい。
なんでも、ゲーム―――最近の『地球』には、機械の中にこしらえた小さな世界に干渉して遊ぶ娯楽があるようで、みんな夢中になって遊んでいるという―――その中で、今のような勇者の姿になって戦っていたのだ。
そのゲームの世界には、『地球』やオルタナリアとも違う世界から来たらしい者も大勢いたと……
ミキがペタラ姫の声を聞いたのも、ここだったという。

それと……当のペタラ姫もまた、勇者たちが現れるしばらく前に、城から異なる世界を訪れたことを語っている。

『地球』からオルタナリアに人が来るのは、世界が勇者を求めるからだ。
だが、他の世界は……?
ミキは単に遊びに行くつもりで入ったのだし、ペタラ姫も……行った先で何かの使命を果たしたらしい。

この島に私がやってきた意味は……たまたま、なのかもしれない。
……生きのびたことさえも。