Eno.140 レイ

■ よんじゅうよん










………?

………あ、……ああ、起きている。


起きている。大丈夫だ。

ピザのレシピが思いついたなあ。しかしやはり、チーズをどう作ったものか……
香る野草もそうそう見つからない気がするし。今いろんなものが不足しているから、後回しにするべきことだなあ。
倉庫の書き置きを見たら、布がとにかく必要らしい。脱出キットなんてものがあるんだな…
それを人数分確保となると…うーん。間に合うだろうか。
俺は森に木を切りに行ってばかりだから…布はあまり持ち合わせてないんだよな。船には布が多くあるらしいから…
しかし、食料も足りていないらしいし…木材も除いたらあまり……

悩ましいな。どこから手をつけるべきか。


………ああ、起きている。大丈夫。

寝ていない。微睡んでいない。意識は飛んでいない。
考えている今は、きちんと自分の目で見ている、本物だ。

………なんでこんな感覚を持つんだろうな。起きているんだから、起きているに決まっているだろうに。



……そういや、ピザなんてどこで知ったんだろう。俺は、奴隷のはずなのに。所有主、主人が優しかったとかか?そうか?

良くも悪くも、なんというか、いろんなことを知りすぎている、知識が、なんで、気が、もう少し、知らないくらいでも、俺は、それなのだから、知らなくても



まあいいか。いいんだ。大丈夫。大丈夫。寝ても嵐は聞こえなくなった。喉元を過ぎれば。飲み下せば。


みんなで脱出したいな。