Eno.253 半人半鯱のサート

■ 絶海を渡る、水兵に

船の完成が近く、俺はいそいそとみんなの分の荷物をまとめ続けている。
至極順調に行けば、明日の朝には全員分。
……ああ、この感覚には覚えがある。
長くなる依頼前日の荷造りだ。
大したものは用意してないはずなんだけど、
重要なものを一つ一つ確かめるように詰めていくこの感覚。

フォグが今までになく張り切っているし、
セトは船を守れるか不安がっている。
俺も航海士を買って出たが……
ある程度の星読みと風読み、船に関する知識があるけれど、
本職は冒険者。きっと船乗りには劣る。
ベル殿が怪しいものがないか見張ってくれるって言うし、うまいこと行くと良い。
道中もお水係ことサミュが頑張ってくれるだろうし、
俺も暇なら釣り糸でも垂らしたい。

新しい旅の前は、こんなにもワクワクする。
やっぱ俺冒険者やめられないんだろうな。