■ 【6日目、無明】
何もしなくても嵐は過ぎた。
崇め、願っても山は火を吹いた。
どうやら天地の営みは人の想いなどに頓着せず、
この世界にただ、計り知れぬ意思をもって息づいている。
絶望も希望も、初めからそこにあったわけではない。
今となってはそのことが、少しだけ嬉しかった。
いつの間にか、時が流れていく。
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分岐点が近づいていた。
何を選ぼうと、所詮何が起きるわけでもなく。
だから男は、もう少しのあいだ考えることにした。