Eno.451 マギサ

■ ラーメンと沈み始める島と水晶の灯台

この島で取れる材料で、『もしかして作れるのでは?』と思った料理ができた。

〝ラーメン〟なんて凡そ女王が食べるものでは無いが、この文化も文明も存在しない島で、その事を咎める者……民、は居ない。
エスティと折半して食べたが、我ながら会心の出来だと思った。
少々喉が渇くものの、塩っぱい味付けも相俟って、ただの飲み水さえも美味しく感じる。
魚介類を焼いただけの食べ物や、森林に実るきのみを今まで食べてきたが、今までで一番美味しかった。
〝私〟がこの味を知る事は無いから、折半したとはいえ、独り占めできた気分も味わえたよ。

それからしばらくして、「砂浜が狭くなってきた」とアノーヴァが言った。
ボトルメッセージの内容通り、いよいよ沈み始めたか。
今まで狼煙しか作れておらず、これだけでは海水を被って消えちまう可能性もある。
そうなる前に、そんな狼煙よりも分かりやすく、あたしらの存在を知らせてくれる物を築き上げた。
本来のソレとはまるで違うが、あえて〝灯台〟という事にする。
……そのまま作っただけではつまらないからね、ここでも氷の力で、水晶のように煌めく灯台にした。

それでも、島が全て沈んでしまえば一巻の終わりじゃ。
万が一、この島の近くを船が通る事が無ければ……

念には念を、全力を尽くしてでも船を手作って置いた方が良いかもしれないね。
その場合、船旅に必要なセットも作っておく必要がありそうだが。