■ 沈む文明、青に染まる思い出
海面が上がりだした。
船の建造は進んでいる。物資の調達もしかり。
やはり全員でいなければこの生活はできなかったと、常々思う。
──創造神、倉庫番と文明の神……それと食糧係、と言われた僕は
大きな倉庫のおかげで手ぶらで歩けるほど荷物を減らせたし、
皆が集めてきてくれた素材を使ってたくさん料理した
皆のおかげで、文明の神としての神格を再獲得できた
けれど、それが遺跡になる。
ともすれば全て押し流されてしまうかもしれない。
テントから始まり、皆で拡張して、大嵐に耐えた拠点も
パンを焼いてサンドイッチを作った窯も
皆で素材を探し回った水を集める装置も
イヴァーナが作ったゼンの石像も
メグルが賭けの報酬に願った道路も
アヤノやサミュが想いを叫んだ灯台も
……フォグが今造ってくれている船も、ゆくゆくは。
もうここに戻ってくることは無いだろう。
僕たちが再び集まることもないだろう。
僕たちはここで、この島で終いなんだ。
それでも絶対に忘れない。
僕は、ヒトになった僕は、皆のおかげでヒトに気づけたから
皆のおかげでヒトとして生かされて、
皆のおかげでカミとしてあれると気付かされたから!!
絶対に忘れない。
忘れない。
僕は、セトは、ここから始まる僕は、この島のことを、仲間のことを絶対に忘れない!!
……物資もほとんど集まったようだ。
波の音に紛れて、汽笛が聞こえる。
まだ船には乗れない。
僕には、もうひとつやることがあるんだ。
この手紙を、最後まで綴らなきゃ。