■ ~番外~
――何処かにて。
* * * * *
「……………………、……ぅ……、……」
――ゆっくりと、目を開ける。
どうやら、私は気を失っていたらしい。
視界に広がる、見慣れぬ色彩。
此処は、一体――?
「……!
バーティ殿下、お目覚めになられましたか!」
「……?
…………?!
お前、シャン?!
無事であったの、か……ぅ」
「あぁ、御無理はなさらず……!
かれこれ2日程、ずっと眠ったままだったのですから……」
目覚めた私の傍に駆け寄ってきたのは、執事として仕えてくれている従者の一人。
眠って……そうだ、私は確か……
「シャン、此処は一体……?
お前が居るということは、私も……あの“海賊”共に囚われたのか?」
「いいえ。
此処は確かに、陸の民の船、其の一室に拵えた水桶ですが……断じて“彼奴等”の船では御座いません」
そう言って、語られる経緯、其の真相――
「…………、……俄には、信じ難いな……」
「お気持ちは判ります。
事実、我々から見ても、あまりにも目まぐるしく状況が変化しておりましたし……」
「仮に事実だとして、何れにせよ私は直ぐにでも発たねばならぬ。
エスティを探さなければ……!」
「エスティ様の消息についても、現在進行系で捜索しております。
尤も、“此の船”に乗る陸の民が言うには、漂流者捜索はエスティ様に限った話では無いようですが……」
「何れにせよ、殿下もまだ体調が万全では御座いません。
エスティ様をお探しになる為にも、今はどうか、御自愛を」
「ぐぅ……」
数日に渡る強行軍と、長時間の昏睡。
其れ等は確かに、私を衰弱させているのは事実で。
「……エスティ……」
執事に宥められながら――悔しい事に、祈ることしか出来ない自分が居たのだった。