Eno.108 アノーヴァ・ピィヴァル

■ 《50: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 切迫》

さっき、沈没のスピードを確かめたくて砂浜に棒を立ててきたのだが、それがもう波にさらわれてしまっている。
甘く見積もっても、ここから二、三日で……といったところか。
もちろん、この拠点はそれより早く捨てないといけなくなるだろうし……時間はほとんど残されていないと言わざるを得ない。

サメーンさんが最低限の救命ボートを仕上げてくれた。
これでひとまず、成すすべもなく沈んでしまうことだけは回避できたと言える。
とはいえ漂流が長引くことを考えると、まだ心もとない。
……木材をもっと集めてこないと。

汽笛みたいな音がした気がするが……空耳かもしれない。