■ サミーのいつかの記録2
「……急になんだ。
毒とか入ってるんじゃないだろうな。」
「まさか、そんなことするような顔に見えますかっ?」
「……。」
日中でも打ち上がる華やかな花火。
13歳になった人が成人として認められるお祭りの真っ最中。
そんな中、私は今年で成人を迎えるという同い年の女の子とお話をしていました。
「ま、ありがたくいただくよ。
それで、急に話しかけてきて何の用だ?」
この人の名前は『リプル・トライフォリウム』というらしいです。
近くのカフェで見つけたのでお話することになりました。
「そうですそうですっ、あなた、祭典の式で首席として登壇していた人の
一人ですよね。なんでも全国で中等部成績ぶっちぎりのトップだったとか。」
「なんだ?わたしのファンかなにかか?
悪いけどどうでもいい理由で呼び出したんならこれ飲み終わったら帰るよ。
暇してないからな。」
「”虹色の魔法”」
「……なるほど。話を聞こう。」
「”13年目”を一緒に倒してほしい、という訳ではないんです。
ただですね。”虹色の魔法”を手に入れたら困る集団がいるんですよね。
その人達を阻止するために、あなたに手伝って欲しいですっ。
と言っても、計画の一端を排除してくれるだけでいいんですけど。」
「言い分はわかった。けど、わたしはタダじゃ動かんぞ。
知らん。他の人に頼め、と言ったらどうする?」
「そうですね~。
その時は、あなたにとって望ましくないことが起きるかもしれませんね。」
「お前、ただものじゃないな。
今まで出会った奴の中で一番か二番ぐらいにやばいよ。」
「えっ?ふふ、そうですか。それは嬉しいですっ。
……まあ、時間も無いということですし、今度ゆっくり話しましょう。
姉さん、無事だと良いですね~。」
「……は?姉がいるなんて一言も言ってないぞ。わたし。」
「あれ、失礼しました。い、いや~姉がいそうな感じがしたものでっ!
忘れてください。じゃ、今日はこの辺でお暇しましょう。
あっ支払い、私の方でやっておきますね!おごりですっ!ではでは!」
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―――これで、私の一つ目の目的は達成しました。
『リコ・クリソベリル』、あなたには虹色の魔法は渡しません。必ず計画は阻止しますね。
「―――さて、いっぱい動き回ったらお腹空いちゃいましたね。ベルちゃん。
どっか食べにいきましょうか~。迎えが来るまでまだ時間ありますし。」
「そうだね~。もっとお祭りの食べ物、食べたいなぁ。」
無人島の招待状が来る、少し前のお話でした。