Eno.389 イワシ

■ イワシ奇譚

波間から勢いよく飛びはねた拍子になんだか到底自然物とは思えない奇跡的な造形の木材の山に乗ってしまったイワシは、無限に等しい数存在している同胞たちから成る集合知のネットワークから切り離されつつあることを感じながら、思うことがありました。

ウルメイワシの群れが強敵からの襲撃に備えるとき、球状に旋回して自分たちを大きな一匹の魚だと誤認させる陣形のことを、ベイト・ボールというのです。



いや、だから何というわけではありませんが。

だから何というわけではありません。




はい。