■ LOG#06

「ええと……この木をこうして……」
嵐の後に舞い込んできた謎の漂着船。
船員や、船員だったものらしきものは見つからず、ただただ積荷だけがある状態。
痕跡はあれど、そこに人はいない。
これが意味するのは、『船内においては人的被害が出なかった』ということ。
一抹の不安と仄かな安堵、その両方を抱えつつ船内を探索すると
船の設計書らしき写しを見つけました。
出先での修理を想定するにしては、0からのノウハウが詰まっている。
積荷も合わせて、不気味なほどに親切すぎるそれは恐怖を覚えるところもありますが、
それに頼らざるを得ないのもまた事実なわけで……

「……寸法通りに木を組むだけで本当にできるんですかね……?
今ん所これただの木船じゃないです……?」
それはそうと、この島に来て、ロジックでもソフトウェアでもなく
ハードウェア面(それも原始的な!)で手を動かすたび、頭の半分は物思いに耽っていて。
それは例えば、同島の彼女たちとの振り返りとか、この先の話とか……
こうして落ちついて思考を巡らせることの減った今、
ある意味で"いい機会"だったのかな、とか。
研究から離れる怖さはあれど、
休暇の重要性を感じる日々だったのは間違いないのでしょう。

「……これが異界のロストテクノロジー、なんですかねえ……」
結論とするなら、わたしは元気にやっています。
……いや、少しは元気を取り戻した、というべきなのでしょうか。
ともあれ、もう少しの辛抱……がんばらないとですね。