Eno.451 マギサ

■ * 主人格・シズクの様子 *

〝あたし〟は相当疲れているようです。
それでも頑張って、私たち以外の仲間たちに、脱出用に一式纏めた荷物を作って手渡しました。
……私たちの分は、ありません。材料が足りないのです。五人分まで、あとひとつ、足りなかった。

もう、時間の猶予は残されていません。
この島が沈んでしまう前に、揃える事ができなければ。
救助船が、この島に来る事が無ければ。
私と〝あたし〟は、この島と運命を共にしてしまうでしょう。
それは、私のために動き、立ち回る〝あたし〟が望んではいない事。

ですが、それだけではありません。
〝あたし〟はもうじき、力尽きようとしている。
そういう意味でも、あと一人分の材料を揃えなければいけないのです。
私は目が見えません。目が見えなければ、何をする事もできません。
ハッキリ言ってしまえば、足手纏いに成り果てます。
それも、私のために動き、立ち回る〝あたし〟が望んではいない事。

故にマギサは……最後の最後まで、足掻くのでしょう。
今まで、ここまで協力してくださった皆様のために。

他でも無い、私のために。