Eno.34 SE-38

■ SE-38-17

 


▼ ――――男は語る。脳内で。

「起きたら船もピザもあった、すげ~~~マジででけえ船、出来たんだな~」



「船旅か~どんなになるか想像つかんけど、楽しみだな~……
 海……ヤベえ生き物……海賊……“清掃”の可能性とかあんのかな……」


「…………………………」


万一に備えて、“清掃”くらいは出来るようにしとくか~。
 どこまで行きゃあいつも通り力が発揮できんのか分かんねえけど



▼ 男は胸の内にいざというときの心構えをしておいた。

「寂しい……か、ヒトに聞いておきながらだけど。
 やっぱあんまり思えねえんだよな~……」


「……その感情に執着すると自分が辛くなるだけ。
 そう昔っから思い続けてる内に、平気になっちまったな」


「……ハヌルの事を思い出してもすぐ立ち直れたのも、
 そのせい、なんだか。そのおかげ、なんだか」


「ま、オレはそういう人間だ~!つ~ことでねっ。
 仕方ねえよ、感じねえもんは感じねえんだ」


「だってよ、別れたって、どいつも“生きてる”んだぜ?
 帰った後までは知らんけど……それだけで、充分だよ。オレ的にはね」



「別れが死じゃねえだけ、消滅じゃねえだけ……ずっと。ずっとな」



▼  そんなことを思考していた。