Eno.139 薄井すもも

■ しずみゆくしまになまえを

『くじらごう』を組み立てるまでの休憩時間、沈み始めている島の状況について話す。
とくにその事について意識していなかった子供。
しかし改めて話題に上ったことで、思うところがあったのか。
島に名前をつけたいと切りだし、そのお願いを聞き入れてもらった。

『わたしたちのむじんとう』
それは子供が好きな、冒険物の絵本の題名になぞらえた言葉。
皆で冒険したこの島は、もう皆のものだと、そう主張す言葉。

ここは、わたしたちの、おれたちの、ワタシたちの、無人島だ。