■ -9-
仕事が忙しくなる前は叔父や仲間達とよく食卓を囲んでいた。
1人で食事をとるほうが珍しかったかもしれない。
とにかく周りに人が多かったんだな。面倒見てくれる人や面倒見てるやつ、兄弟同然のやつら。一緒くたになってガチャガチャしていてああだこうだ飲んだくれて話す。毎度毎度うっとうしいような気さえした。
今思えばそれはそれでいいものだったが。
そんな賑やかな食卓とは少し違う。ヨナミさんとの食事は静かで朗らかだった。
うまいものをお互いに食べ、身の上を話し。先の話もし。
俺には贅沢な時間だ。
またこんな時間を何度でも、と願うが。
残念だがもうここは沈んでしまう。叔父の話もあるし手紙を疑うわけではなかったが、本当に沈むのかと少し驚いた。
先に来た漂流者がそうしたように出ていかなければ。
いくら島が気に入ったからって漂流物の一部になりたくはないしな。
何よりもヨナミさんには無事に帰ってもらいたい。
俺も出来るだけの事はしておこう。