Eno.34 SE-38

■ SE-38-■■

 


▼ ――――男は語る。脳内で。

「明日。島を出るまで、島を出ても気は抜けねえけど」


「大丈夫、なんとかなるなる!」



▼ 強く、願っている。

▼ 誰よりも、自分に。SE-38……通称、ミツバに。





▼ いつかの、夢。
  男があまり、覚えていない夢。

『ねえ、ミツバ』


「なんだ?   」


『外の世界って、行ってみたい?』


「そりゃ、行けるなら、行ってみてえな~。
 身体が良くなって、い~っぱいこの脚で走り回れるようになったらね~」



▼ いつかの少年は笑う。今と変わらぬ笑顔で。

 

『……そっか』



▼ いつかの少年は目覚める。夢は、終わる。

『…………叶うよ、叶えるよ。いつか、遠い先で……必ず』



『君はいつか、世界へ流れ、行くんだよ』



▼ 水色の夢が、言葉を零す。



▼ 男が世界を流れ終えるまで、後――――