■ A.後戻りは出来ませんが可能です

アヤノちゃんは家に帰りたくないと言っている
だけど、それを理由に私の旅に付き合わせる訳にはいかない
だから、揺さぶりをかけた


「一度来てしまったら後戻りできなくなるけど、それでもいいの?」
ほんの少しの間
顔を俯けたかと思うと、
『それでも……』
『ううん、それでいい』
そう返事が帰って来て、私は安堵の表情を浮かべてしまった
否定も忠告もするものの、永遠の旅を一人孤独に続けるのは途方もない話で
だから<一緒に来てくれる>という事実がとても嬉しかった

「それじゃ、準備が出来たら一緒に行きましょうか」

「でも、私のお供は大変だから覚悟しておいてね?
なんたって すぐに倒れて記憶を失うんだから」

「それも、今までは恐怖でしかなかったんだけどアヤノちゃんが来てくれたら安心ね
…私を選んでくれて、有難う」
これは私の本心
大人のお守なんて嫌と笑い飛ばしてくれると思ったんだけど、そんなことはなくて
私がまた記憶を失ったら
何処にいるのか分からなくなったら
そうなったら困るだろうから、自分が覚えている…と、私の恐怖を包み込んでくれた
