■ 50
──また、瞼を閉じると、別の景色が見える。
見えた気がしただけかもしれない。
目を開けると、拠点と、居るみんなの顔が見えた。
眠っているのに、眠っていないような。
いいや、寝ているのだけれど。
いつも普通だ。うん。
別にどうというわけではないので。
いつも通り働くだけ…腹すいたな…………つぎにうごく………
最後の一日になりそうだから。
頑張りたいんだ。やっぱり。
というか前夜祭が盛り上がりすぎたので、宴に対して今俺はとてもワクワクしている。
なんたってたわぁまんしょんもたったし。いいなあ。高い家……俺はたわぁまんしょん、きにいったな。
みんなで暮らせる家。いろんな人が住み着いている家。夢があるなあ。
……いや、石像なんだろうけどな。石でよく作れたなあ……煉瓦とかじゃないんだな。
ほうじ茶の海に、クジラが溺れる夢を見たのは、気のせいかな。
香ばしくかおる、薄茶の透明が広がるお茶の海で、大きな大きなクジラが、少しだけ頭を出して、あっぷあっぷと、おかしな様子でいたんだ。
愉快な夢だな。もし見たのだとしたら。
こんな愉快な夢を見るとは、自分でも思わなかったぞ…
…いや、本当に見たのかもしれない。
少しお腹と喉が満たされてる気がする。
夢で腹と喉は…いや、案外、あるんだなあ、これが。
◇ ◇ ◇
つめたいはり。
ちくとささった。
つめたいないふ。
ちくとさした。
とっつかまったから、ちくとささることとなる。
いつまでもくさりをならして。
くさりがはずれても、なんどももどってきた。
くりかえし、くりかえし。
そともうちも、わからなくなっているから、そとにだしても、もどってくる。
ゆめうつつ、げんじつはゆめ。
ゆめのなか、なんどもさまよって、さいごにひどいおちをつけられるのに。
やけつくおと。
そのうち、しまわれたままに。
おかしくなって、しょぶん。
そんなものだろう。
つめたくて、ふかい、うみのそこへ、なげいれられた、よう、だった。
らくになった。