Eno.140 レイ

■ 50

──また、瞼を閉じると、別の景色が見える。
見えた気がしただけかもしれない。


目を開けると、拠点と、居るみんなの顔が見えた。

眠っているのに、眠っていないような。


いいや、寝ているのだけれど。



いつも普通だ。うん。


別にどうというわけではないので。
いつも通り働くだけ…腹すいたな…………つぎにうごく………

最後の一日になりそうだから。
頑張りたいんだ。やっぱり。


というか前夜祭が盛り上がりすぎたので、宴に対して今俺はとてもワクワクしている。
なんたってたわぁまんしょんもたったし。いいなあ。高い家……俺はたわぁまんしょん、きにいったな。
みんなで暮らせる家。いろんな人が住み着いている家。夢があるなあ。
……いや、石像なんだろうけどな。石でよく作れたなあ……煉瓦とかじゃないんだな。


ほうじ茶の海に、クジラが溺れる夢を見たのは、気のせいかな。
香ばしくかおる、薄茶の透明が広がるお茶の海で、大きな大きなクジラが、少しだけ頭を出して、あっぷあっぷと、おかしな様子でいたんだ。

愉快な夢だな。もし見たのだとしたら。
こんな愉快な夢を見るとは、自分でも思わなかったぞ…


…いや、本当に見たのかもしれない。
少しお腹と喉が満たされてる気がする。

夢で腹と喉は…いや、案外、あるんだなあ、これが。


◇ ◇ ◇




つめたいはり。


ちくとささった。



つめたいないふ。


ちくとさした。



とっつかまったから、ちくとささることとなる。

いつまでもくさりをならして。


くさりがはずれても、なんどももどってきた。


くりかえし、くりかえし。
そともうちも、わからなくなっているから、そとにだしても、もどってくる。

ゆめうつつ、げんじつはゆめ。



ゆめのなか、なんどもさまよって、さいごにひどいおちをつけられるのに。

やけつくおと。


そのうち、しまわれたままに。



おかしくなって、しょぶん。

そんなものだろう。



つめたくて、ふかい、うみのそこへ、なげいれられた、よう、だった。


らくになった。