Eno.110 永久の旅人

■ 贖罪の記録


また一つの物語が終わりを迎えようとしている

『楽しかった?』

どこからかシオマネキの声が聞こえる

「そう、ね
でもみんなと分かれるのは少し寂しく感じるわ」


『…いつかの私もね、そう思っちゃったんだ』

「そんな思いをするくらいなら、全部忘れてしまえばいいのに
そう、願ってしまったのね?」


シオマネキは、応えない

「リスポーン…
蘇生の代償とはいえ、何故記憶を失うのか疑問に思っていたけど、そういうことだったのね」

「怯えなくても大丈夫よ
それもこれも、<自分>が望んだことだもの
自業自得よ」


「…それに、ね
今回は心強い<友達>も出来たから」


『もう独りじゃないんだね』

「…うん」


『最初は興味本位だったの』
『バカな願いで旅に縛られるようになって』
『浅はかな願いで全部忘れるようになっちゃって』

『寂しい思いをさせてごめんね』

「過去のことを咎めても私の旅が終わることはないわ」

「だったら、これからの旅を楽しみましょう
記憶も、これから紡いでいけばいいわ」


そう、私は永久の旅人
旅を続けている間に、何かの奇跡が起きるかもしれない
その時が来るまで私は旅人を演じてみせるわ



「で~も!
寂しいことに変わりはないから!
毎度恒例の記念撮影、やっちゃいますか!」

「ねぇ、みんな
記念に一枚、撮らせてもらってもいいかな?」




<私>は<西島>、孤島を生き抜いたサバイバルマスター
<みんな>のことは忘れないわ