Eno.403 ジセレカ・キサラギ

■ はじめての、おさけ

ベルに誘われて、倉庫にあったラム酒を、4人で飲んだんだ。
おとなには、ないしょだよ?

なんだか、おいしいんだけど、どこか渋いような、不思議な味がして……
それで、だんだんねむたくなってきた。
出航まであともうちょっとだし、眠ることにした。

お酒に入ってるアルコールって、人の身体には毒、なんだって。
特に子供には毒になるみたいで、だから大人の飲み物。
お酒におぼれないように、ちょうどいい量だけ、飲まなきゃいけないから。
……なんだか、お酒って、むずかしいな。

--

ボクは、このシマを出たら、色々な世界を巡ることにする。
みんなの世界にも行ってみたいし、まだ見たことのない世界にも、行ってみたい。

滅びかけの世界に戻っても、ボクには何もないから。

でも、滅びかけの世界でも。
色々なセカイを見て、色々な知識をつけることができたら。
また、一から文明を作ることができるんじゃないかって思った。
このシマで、まずは水を、それから食べ物を探して。
住む場所と、入ってるだけで気持ちのいい温泉と、大通りを作って。
それから、罠を作ったり、料理をしたり、何に使うか分からないものを作ってみたりして……

そうやって、また、一つのセカイが、一つの文明ができたら。
ボクは嬉しいな。

だから、ボクは故郷から逃げたりしない。
少し、りゅーがくするけど、必ず帰ってくるから。


また会おうね、ボクの、滅びかけの世界。