Eno.355

■ 其の十八 無題

写真を、渡された。
こういう集合写真的なものに写るのは初めてかも。
あんまり誰かと写真を撮る事も無いし。
色々あって撮られる事はあるけどさ。

あーあ、寂しさが更に増しちゃうな。
この数日間ずっと一緒に無人島生活した奴らだよ?
嵐に遭って一緒にボロボロになったり
筏に乗って一緒にボロボロになったり……
あれ?俺ずっとボロボロじゃない?
忘れられないのがもっと忘れられなくなった。
ま、忘れろっつっても忘れられないけど。

写真を持って帰る為に
俺はそっと隠して集めていた金貨の一つを捨てた。
倉庫に金貨が少なかった理由の一部は俺だ。
俺と同じように黙って他の奴が
持ってた可能性はあるだろうけどね。
ネックレス、銀の盃もあったけど
金貨が一番単純でわかりやすく価値があるからね。
俺ほとんど帰った後の事ばっか考えてたよ。
集めた金で少しの平和は買えるんだ。
なら利用しなきゃ損じゃない?

写真を捨てればもっと金貨を持ち帰られるけど……
捨てられるわけないじゃん?
金で買えない平穏の一つだよ、思い出ってのは。
自然の脅威に襲われて心配されるのも初めてだったしね。
俺、強いから心配される事なんてなかったし。
……まぁ、その、弱い部分を遭難して突きつけられたけど。

あとクワック大佐、あれ置いてたの俺だし。
アヒルバトル……って、ねぇ?
適当に面白そうだから置いたアレが……ね。
あんな扱いなんだもん。
今更俺のアヒルとか言えないよ。

……楽しそうだったなぁ、皆。
俺は気圧されたりしたから黙って見てたけど、
アヒルのバトルってなんだ……?
……これ触れるの禁忌な気がしてきたな、やめよ。

なんか色々書きたいものが多いけど、
止まらなくなっちゃうしそろそろ、ね。
苦しかったなぁ。
楽しかったなぁ。

それじゃあ、また、ね。
うん、また。