Eno.220 馬場藤信

■ ────仕事、辞めよう。


そう思ったのは船に乗ってからのことだ。

続けてきた仕事ももう3年目にもなる。
パワハラ、サビ残、休日出勤。
最高連勤記録は8ヶ月。

無人島の暮らしは良かった。
いつ寝ても良かったし、いつ動いても良かった。

……嵐の日は出るべきではなかったが。

そんなぬるま湯のような生活を何日も続けてしまえば、仕事を辞めるという結論に至るのも当然の話。
正気に戻ったとも。

「まずは退職届の提出からですかね……」