Eno.175 モレノン・カーボルト

■ 手書きメモ 16 改め 事故報告書

 
【事故報告書】


・場所
第1塔北西部近海


・事故内容
西部第1拠点から北部第2拠点へ移動中、北西部近海上空で突如強い引力に引かれ、海面に開かれたホールへ落下。
両翼を強打し飛行困難に。7日間の漂流生活を行った。


・事故原因
ジーランティスの特徴(後述)による特異ホールの発生。


・事故状況
ホールの接続先はジーランティス(Xealantis)。
世界の大半が海水で覆われており、大小様々な島が点在している絶海の世界。

異常な潮の満ち引きにより、各島は定期的に沈むものと考えられる。
また、貴金属を含む宝と呼ばれる物を収集するための巡航船が多数いる模様。

ホール落下後、ジーランティス内の無人島へ漂着。
同様に30人近い異世界人が同島へ漂着。その後行動を共にする。

漂流者の種族が多種多様であり、漂着物の文字等にも法則が見られないことから、ジーランティスそのものに異世界人及び物を引き寄せる特徴があると推測される。

島の資源は比較的豊富であり、生態系も豊かであるが、先述の潮の満ち引きの関係上永住は困難とみられる。

7日間現地で生活をした後、満潮による島の水没から逃れるため漂流者総出で木製の船を造船し島を脱出。
翌朝、航海中の海賊船と接触。念じれば世界を渡れるとの証言を得る。
その後数時間の航海の後、海へ飛び込んだところ
北部近海の砂浜で目を覚まし現在に至る。

ジーランティス内と現世界内での時間経過に差異はなし。


・備考
中央拠点特異ホール調査部隊に、ホール出現条件及びジーランティス内の詳しい調査を依頼予定。
ジーランティスより持ち込んだものは全て調査部隊に引き渡し済。
 
                 北部第2拠点
                 プラード部隊副隊長
                 モレノン・カーボルト

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「はぁ……。
 書類を持ってこさせるだけのつもりが、
 まさか無人島でサバイバルして
 帰ってくるなんてね……。」

「すみませんリスタ隊長ぉお!
 でも私っ、頑張ったんですぅうう!」

「……そうね。
 言いたい事は山程あるけど、
 本当に、よく無事に戻ってきてくれたわ。」

「隊長……!」
 
「で、書類は?」

「……あっ。」

「…………。」